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写真論、写真史を考える写真ギャラリーです。是非ご覧ください。

写真の曙

一般的には、写真術の誕生は1839年のルイ・ジャック・マンデ・タゲール(1787-1851)によるタゲレオタイプの発明公表ということになっている。もっと正確にいえば、1839年8月19日、パリ天文台長で国会議員のF・アラゴーが、美術・科学アカデミーの合同会議の席上で、タゲレオタイプの製法について講演した日が写真誕生とされる。
 しかし、実はタゲールだけではなく、何人かの発明家がほぼ同時に写真の研究を進めており、すでに写真の撮影に成功(不完全であったが)した者もいた。しかも、写真の原理そのものは、ずっと昔から知られていた。ある意味では写真を発明したのはタゲールではなく、移ろいゆく風景や人間の姿を固定し、時を留め所有したいという、人々の永遠の欲望だったともいえる。