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写真論、写真史を考える写真ギャラリーです。是非ご覧ください。

芸術写真

写真の芸術化の試みは、ピクチュアレスク美学を強く意識していたタルボットの『自然の鉛筆』以来見られる。しかし、それが明確なムーブメントとして形をとり始めるのは、1850年代にオスカー・G・レイランダー(1813-75)やヘンリー・ピーチ・ロビンソン(1830-1901)が、ネガ合成によるモンタージュ芸術写真を制作しはじめてからである。
リンクト・リングの結成と、彼らが年に一度開催した「サロン」と称される写真展によって、アート・フォトグラフィの運動は頂点に達する。世紀末から今世紀初頭にかけて、リンクト・リングには、フレデリック・H・エバンス(1852-1943)、アレクサンダー・キーリー(1861-1947)、フランク・メドウ・サトクリフ(1853-1941)らの重要な写真家が次々加わる。さらにフランスのロベール・ドマシー(1859-1936)、コンスタン・ピュヨー(1857-1953)、オーストリアのハインリヒ・キューン(1866-1944)、アメリカのF・ホランド・デイ(1864-1933)、アルフレッド・スティーグリッツ(1864-1946)、エドワード・スタイケン(1879-1973)らが加わることで、国際的にもその影響力を強めていった。